《人民日報》 (1953.01.08) 琉球諸島は,我が国(中国)の台湾東北部及び日本の九州南西部の間の海上に散在しており,尖閣諸島,先島諸島,大東諸島,沖縄諸島,大島諸島,吐噶喇諸島,大隈諸島の7組の島嶼からなる。それぞれが大小多くの島嶼からなり,合計50以上の名のある島嶼と400あまりの無名の小島からなり,全陸地面積は4,670平方キロである。諸島の中で最大の島は,沖縄諸島における沖縄島(すなわち大琉球島)で,面積は1211平方キロで,その次に大きいのは,大島諸島における奄美大島で,730平方キロである。琉球諸島は,1000キロにわたって連なっており,その内側は我が国の東海(東シナ海)で,外側は太平洋の公海である。
米国は1945年6月の琉球諸島占領後すぐに軍事基地の建設に着手した。米国の亜細亜大陸への侵略計画の破綻に伴い、琉球基地の建築の動きもさらに積極的になってきている。米国は朝鮮侵略戦争を始めるずっと前に、既に米軍基地工事は沖縄の1/3の土地に達し、その建設費用は2億ドルを超えた。その後、沖縄基地建造計画はいっそう拡大しさらに大きな速度で進行しつつある。1951年6月20日には“米国新聞と世界報道”という雑誌が米国の侵略者としての野心を露呈している。曰く: “米国の沖縄における目的は空軍により亜細亜を制覇することであり、沖縄を太平洋最大の基地とするつもりだ。沖縄より飛び立つことでB29型爆撃機は亜細亜の大部分の陸地に到達でき、爆撃半径は中国の全部とシベリアの大部分の地区---シベリア鉄道を含む---となる。B36型爆撃機であればさらに遠くへ到達できることになる”。 昨年9月8日、沖縄の米軍官吏はなんと公然と宣言した: “沖縄を太平洋のジブラルタルと化する費用は4億8千万ドル。建設工事は計画通りにすすんでおり、台風にも備えた高速道路、飛行場、兵站、司令部その他の軍事設備は全島に及ぶ予定だ”。 他方、少し前の日本新聞の報道によると、米国は沖縄那覇港入り口にある浮島神社の下に、8万㌧の地下オイルタンクを建設し、沖縄周辺各島に配置した基地は全部で20を超える大型飛行場を有し、さらに奄美諸島、宮古島、沖永良部島等島嶼上にはすべてレーダーを配置した。 滑走路を兼ねた軍用道路が多くの島の上に建設された。 そして米国の通信社も “B29型爆撃機は毎日沖縄を飛び立ち北朝鮮を攻撃している” ことを何度も報じている。
米国侵略者共は琉球米軍基地の建設と使用と同時に、沖縄を永久占領する陰謀を積極的に廻らせている。米国は沖縄占領後すぐに、沖縄の一切の政政治的権利を掌握した。 昨年以来、米国侵略者共は“カイロ宣言”や“ポツダム宣言”等国際協定に中には一切沖縄信託統治の規定がないことを顧みることなく*1、またソビエト連邦政府と中華人民共和国政府からの再三の声明も無視し、さらには一百万琉球人民の強硬な反対論も無視して、あろうことか日本吉田内閣と共謀し、対日講和条約の中に “北緯29度以南の琉球諸島...を連合国の信託統治の下に置き、以て米国を唯一の管理当局とする如何なる提案にも合意する。この提案の提出により、以前に遡って米国がその島嶼の領土領海と居民に対し、一切及び如何なる行政、立法そして司法権を行使する” と一方的に規定した。 米国のこのような卑劣な手段を以て琉球の無期限占領という侵略行為に合法の衣を纏わせ、昨年4月1日に比嘉秀平を長とする琉球傀儡政府を樹立した。
7年以上もの間、米国侵略者はその野蛮な手段によって...
原文地址:http://www.huadu.gov.cn:8080/was40/detailrecord=86310&channelid=48004
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注)この人民日報の記事からは、(周恩来が)SF講和条約に反対したのは米国の沖縄信託統治に正当性がないからであって、尖閣の帰属問題を念頭に反対していたわけではないと解釈できます。
*1 この文脈は周恩来外相(当時)の抗議からの抜粋と思われます。冒頭に「カイロ宣言やポツダム宣言に違反している」とあります。 ちなみに周恩来はこの中で沖縄はもちろん沖ノ鳥島も日本領だと発言しています。
>>他のページも見る 1:魚釣島は我が国の領土?(地図) 2:人民日報(1953.1.8): “尖閣諸島は沖縄に含まれる” 3:周恩来(1951.8.15): “これらの島々が日本を離脱した規定は過去の如何なる国際協定を見てもない” *:年表、Q&A -- 中国は1885-1970年の間、何も言っていなかった。